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漢字の旅 「麗人行(れいじんのうた)」~高先生に学ぶ漢字は面白い~

講師 高 潤生
(書道篆刻家・現代印作作家)

漢字はいつどのようにして生まれたのでしょう。
今、残っている一番古い漢字は「甲骨文字」。
亀の甲羅や動物の骨に刻まれた漢字です。
これは占いの結果を記録するために使われました。

漢字は仮名やローマ字と違って一字一字が意味や由来をもっているのです。
私たちが日頃使っている漢字にどんな意味があるのか、違った角度から見直してみると漢字の面白さ、楽しさが見えてきます。

日時  2020年4月14日 (火)   13:30~15:00

今回、注目するのは、杜甫の名作「麗人行」。

唐代において三月三日は厄除けとして水辺で身を清める風習がありました。

「麗人行」は楊貴妃の美人姉妹たちが春游をする場面をリアルに描いています。

詩の鑑賞を通して唐代の時代絵巻を見ることができます。

また甲骨文字『麗』の由来の考察から、美しさの本来の基準を考えてみましょう。

最後に濃墨で「麗」の金文・甲骨文字を麗しく書いてみましょう。

杜甫 『麗人行(れいじんのうた)

麗人行は、三月三日「上巳の節句」に長安南の川・曲江のほとりで水遊びをする美女たちの様子を歌った詩です。

中にも楊貴妃の姉たちの、贅沢をきわめた華やかな宴の様子に重点が置かれています。

楊貴妃が玄宗皇帝に愛されたことで楊一族は重く用いられ、その権勢は並びないものとなりました。

中にも、楊貴妃のはとこの楊国忠は、楊貴妃の姉である虢(かく)夫人と密通し、取り立てられ、宰相にまで至りました。

三月三日天氣新 三月三日天気新たなり

三月三日上巳の節句、天気はまっさらに晴れ渡っている。

長安水邊多麗人 長安の水辺、麗人多し

長安の川のほとりには美人が多い

態濃意遠淑且真 態(たい)は濃(こまや)かに意は遠く淑(しゅく)にして且つ真

姿は艶やかで、奥ゆかしく、内面から湧き出す自然な美しさがある

肌理細膩骨肉匀 肌理(きり)は細膩(さいじ)にして骨肉は匀(ひと)し

肌のきめは細やかですべすべしており、骨と肉の具合がほどよく調和している。

繍羅衣装照暮春 繍羅(しゅうら)の衣装は暮春(ぼしゅん)を照らし

刺繍を施した薄衣の衣装は晩春の太陽に照らされ

蹙金孔雀銀麒麟 蹙金(しゅくきん)の孔雀に銀の麒麟

金の糸で刺繍した孔雀、銀の糸で刺繍した麒麟

頭上何所有 頭上には何の有る所ぞ

頭上には何があるかと見れば

翠微盎葉垂鬢脣 翠(すい)は姶葉(おうよう)に微(ほの)かにして鬢脣(びんしん)に垂る

カワセミの羽をかんざしの飾りにひらひらさせたものが、ほのかに鬢の生え際に垂れている。

※まだまだ続きます。一部を掲載しています。


作者 杜甫(とほ)712年~770年

中国、盛唐の詩人。襄陽 (河南省) の人。
律詩の表現を大成させた。
幼少の頃から詩文の才能があり、李白と並ぶ中国文学史上最高の詩人として、李白の「詩仙」に対して、「詩聖」と呼ばれ、また、その詩はそのまますぐれた歴史であるとして「詩史」ともいわれる。
晩唐期の詩人の杜牧の「小杜」に対し「老杜」「大杜」と呼ばれることもある。
代表作『北征』『三吏三別』『兵車行』など。


参加費   会員 850円  ビジター 1,350円

場所   五十鈴塾右王舎

定員   30名